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今こそ留学のとき

と言っても、10日後に帰国を控えている僕のことじゃありませんw。

Global Financial Crisis Upends the Plans of Many South Koreans to Study Abroad
NY Times

就職氷河期の再来とか、内定取り消しブームとか、今回の金融危機のような経済変動がある世代を被害者にしてしまう事例に僕は最近より一層興味を深めています。4月からの職場が滑り込みで決まったとはいえ、おそらく僕もその影響を少なからず受けた当事者だと思うし。周りは僕が採用側なら有無を言わさずとりたいのに職が決まらない求職者がたくさんいるし。とにかくリアルなんです。そして上記の記事も。

教育熱心で知られるお隣韓国。シラキュース大でも韓国人留学生の人数の多さには驚いたけど、北京でもそう。清華大学の留学生のmajorityは他を大きく突き放して韓国人です。お金があるお家の子供はアメリカとかイギリスの大学へ、それが無理だったらオーストラリアへ、おそらく好みの問題とかもあって日本へ、それより安く英語を学べるマレーシアへ、フィリピンへ。あるいは金銭面の制約、そして将来のことを戦略的に考えて、大きく発展している中国へ...という具合で2007年の韓国人海外留学生の総数は35万人にまで上った。日本と比べたら、どれだけすごいかよく分かります。

文部科学省 日本人の海外留学者数

これは2003年までのデータしかないけど、2000年前後からほとんど変わっていないことを考えると、現在も同程度なんじゃないかな。そもそも全体の人口を考えると、日本は韓国の約3倍、でも海外留学者数の数は1/5だから、韓国の学生たちがいかに海外での学びに積極的か浮き彫りです。記事によると、アメリカでも一番多いのは中国じゃなくて韓国の留学生なんだね。

これは統計に基づいたものじゃないけど、僕のイメージでは、韓国の学生はやっぱり勤勉だし、勉強ができる。マクスウェルでも、抜群の成績とお茶目な性格で僕が師匠と仰いでいたのは韓国のキャリア官僚の人だったし、これまたいろんな国や年齢の人がいる中国語のクラスでも一番成績が良いのは韓国の女子大に通ってる子。もちろん、これだけたくさんの韓国人留学生がいると、なんとなくつるんでるところとか週末に仲良く飲み会している様子も見える。でも、HSK(中国語版TOEFLのようなもの)対策を行っている近所の予備校に夜通っている生徒の大部分は韓国人らしいし、彼らはきちんと将来を考えて、やるべきことを見据えて取り組んでいる人たちなんだというイメージがある。

実際、ちょっと前に韓国人のクラスメートと飲んだときにも、彼女が中国語をきちんと自分のスキルにしたい、本当に厳しい就職戦線で少しでも役立てるものにしたいって考えていることにちょっと感銘をうけた。もしかしたら世界一かもしれない受験競争の激しさで知られている韓国だけど、就職活動も相当厳しいのだろう。もちろん若者が感じている精神的ストレスの度合いは半端じゃないのだろうけど、その中で一歩前に出ようっていう前向きさと、多少の出費は厭わない親の教育熱心ぶりと、そんな親や環境から離れて暮らしたいっていう思春期的感情がw、彼らを海外に駆り立てているんじゃないかなっていう気がする。

でも、そんな留学ブームに冷や水を浴びせかけたのが、金融危機による急速なウォン安。ここ数か月で、ウォンは対ドルレートで約1.5倍 ― つまり、彼らがアメリカ留学に必要な予算が1.5倍になったことになる。ウォンは他の通貨に対しても軒並み価値を下げている。最近のウォン安による韓国旅行ブームはカウンターバランスとして働く部分があるけど、気軽に旅行に行けるようになったかの地では、海外留学の夢を断たれた多くの若者たちが、今、たぶん、眠れない夜を過ごしている。

一方円高で、輸出企業の危機にさらされている日本だけど。そんな今こそ、お隣韓国を見習うときなんじゃないかな。就職活動で苦しんでいる学生たち、これからの就職活動に大きな不安を抱えている人、あるいは転職したいけど今辞めたらまずそうだと思っている社会人の方、解雇の対象になってしまった人、ちょっと日本の外に目を向ければ、僕がそうした1年半前よりもずっとリーズナブルな学びの機会が転がっている。今年アメリカの著名MBAプログラムは、金融機関をはじめとする一流企業から放出された志願者が競争している関係で空前の高倍率になっているって話だけど。それでも、通貨安によって今年の出願をあきらめている学生が世界中にたくさんいるってことも事実だし、全体的にはまさに今こそ留学のときだと思います。近い将来の見通しがぼやけている今こそ、教育を受ける機会とか、海外に身を置く機会とか、そういう選択肢をより長期的な視点で考えてみてもいいんじゃないかって思います。

それにしても、韓国での海外留学ブームを考えると、そして僕の1年半を考えると、やっぱり将来たぶん持つことになるであろう子供に留学っていう選択肢をきちんと与えてあげたいっていう気になる。自分のようにゲーム大好きで、家にいるのが大好きな子だったら、中学3年のときに僕が市のオーストラリア派遣の話を迷わず断ったように、まず自分から行くとは言いださないかもしれないw。でも、大きくなっていく過程で、いろいろ自分の経験について聞かせてあげたい。そのころには、僕の中ですでに留学してほんとに良かったって思っている今以上に、この1年半の思い出が輝いているんだろう。

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コメント

すごく遅れてきたコメントだけれど許しておくれ。

いや、こないだ何かで読んだんだけど、韓国経済の低迷にその留学生の多さも一役買ってるっていう話があってさ。留学生の数が半端なくて、その授業料のために国内で稼がれた金がアメリカやらへと流出することが大きな損失になっているっていう話だったよ。とはいえ、個人的なレベルでは留学すべきってのは絶対的に同意するけどね。

帰ってきたら連絡くださいな。

投稿: shark | 2009年1月20日 (火) 17時35分

たしかに短期的にはお金の流出って側面はあるだろうねー。でも結局教育って生涯リターンを出していくことができる長期投資だから、短期的な資金の流出で是非を図ることはなかなか難しいよ。いずれにせよ、あの国は少数の一流大学に入るための競争が激しすぎて、海外に出るインセンティブが大きいと思うし、やっぱ対外投資の流入と輸出で成長してきたことを切に知っていて、日本よりハングリー精神にあふれているからこそ留学っていう選択肢が近くなってる気がするんだよね。ノーベル賞受賞者を出してる日本の教育の方が自然科学系では少なくともまだ優れてるのかもしれないし、そういう力関係の差も確実にあるだろうけどね。俺は日本人の学生には留学を奨励して、できるだけ海外からの受け入れも増やして、海外に分校を作ったりして、大学ってもの自体を基本的にボーダレスにしていく方向性が理想だと思ってるよ。高等教育だしさ!
というわけで、帰ってきてます!

投稿: qinmu | 2009年1月22日 (木) 12時23分

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