日本でいう勤労感謝の日あたりから、比較的穏やかだった北京の天候はここ数日で急変。今日は最高気温-3℃、最低気温-11℃で去年僕が冬を過ごした小さな街を思い出させる無情な空気が充満していました。あまりの寒さに加えて、ここ2か月くらい一切雨が降っていないのでありえないくらい空気が乾燥しており、自然に唇の端が切れています。もう12月に入って、いよいよ冬も本番ですね。
ところで、北京の気温以上に冷え込んでいるように思える経済。スペイン人の友人によると、スペインの会社では従業員にプレゼントとしてワインとかを詰め合わせたクリスマス・バスケットなるもの(福袋みたいなものかな)を年末に配布するのが慣習になっているらしいのだが、今年のバスケットの内容はほとんど”shit”だということが報道されているらしい。12月といえば忘年会のシーズンだけど、東京の夜の街の華やぎには影響は出ていないのかな。この記事の麻生さんの笑顔が、なんとなく忘年会帰りのおじさん的な...。
Can this place be governed?
If you think the economy is bad, just look at the politics
先進国の間では珍しく"toxic asset"を保有していないのにも関わらず、主に輸出の減退によって景気停滞に突入した日本。日経平均株価の下げ幅の著しさは以前から気になっていたけれども、すでに26年ぶりの低水準に。おそれていたクレジットクランチの兆候もある。だけど、こうして卑近のことを並べ立ててみると現実以上に悲観的に見えてしまうかもしれないのが経済問題。一方で、日本の政治の問題の深刻さはこれ以上誇張しても誇張
しきれませんというのがこの記事のポイント。特に冒頭のこの箇所は痛烈。
It is laying bare the ungovernability of the whole political system over which he (Mr. ASO) presides.
世界で最も影響力のあるニュース誌が日本のリーダーをこれだけ悲観的に見ていたら、日経が下がるのは必然だと思います。かといって小沢氏も麻生氏に支持率で少し負けているくらいの人気のなさらしいし。今の段階で大連立をにおわせても間違いなく”挙国一致”にはならないでしょう。
一方で、日本と同様に悲観的な経済観測がなされている危機発信国アメリカは、着々と政治面での経済危機対応を進めている雰囲気があります。今週の初めに外交チームを発表し終えた時点でのオバマの人選に対する国民の支持率は75%。Secretary of Stateにヒラリーという物議をかもす人選が足を引っ張ったのにもかかわらずこの数字。麻生政権支持率が30%程度まで下がっていることを考えると、危機対応の観点で日本の体勢がどれだけよくないかが分かります。金融システムへの不信によって引き起こされた現在の危機が象徴しているように、あるいはもっと身近な例では僕たちみんなが基本的に信号機に従うからこそ1億の人たちが滞りなく往来できるように、社会がうまく回っていくかどうかというのははっきり言って他人や社会自体に対するtrustがほとんどすべてなのではないかって考えている。国のリーダーに対するそれの重要性は計り知れない。
このアメリカ新政権の支持率の高さの源は、ほとんど"pragmatism"に集約されると言ってもいいと思う。アメリカが個の集合ではなく、”United”であることを主張し挙国一致で目下の危機を乗り越えることを主張したオバマ自身だけじゃない。80%以上の高い支持を得たSecretary of DefenceのGates留任、あらゆるメディアで賛美の声が聞かれたTim Geitner, Larry Summers, Christina Romerの経済チーム編成に象徴されるのが、個人の高い能力に裏打ちされた、あらゆる状況に対応できるフレキシビリティと現実主義。経済危機には、英語でよく"turbulence(乱気流)"って表現が用いられるんだけど、一寸先の不確実さが明らかに増している情勢で、風向きが突然大きく変わったときにイデオロギーやドグマ、利害関係に捉われずに理知的に決断、実行できる人たちであること。それが、彼らに対する信頼の根拠なのだ。
こんな話を書いていたら、以前オバマ氏当選直前に、クルーグマンが言っていたことを思い出した。オバマに対する最後の援護射撃であることを差し引いてもなかなか面白い。
Desperately seeking seriousness
I suspect that the main reason for the dramatic swing in the polls is
something less concrete and more meta than the fact that events have
discredited free-market fundamentalism. As the economic scene has
darkened, I’d argue, Americans have rediscovered the virtue of
seriousness...when the world seems to be falling apart, you don’t turn to a guy you’d
like to have a beer with, you turn to someone who might actually know
how to fix the situation.
ブッシュ大統領は友好的で、利口ぶって大義をふりかざすゴアより一緒に酒を飲みたくなる相手だった。だけど、経済が崩壊していく中でアメリカ人は”真剣さに目覚め”、本当に状況を打開できる人をリーダーとして選ぶことにしたのだと、クルーグマンは言う。
このsoberness、つまり正気さ、”しらふさ”こそが明らかに日本の政治に求められている。個人的には、ものすごく居酒屋な雰囲気のする麻生さん。お酒の席で風刺され、帰りの電車で愚痴をぶちまけられるようなまどろんだ政治ははっきり言って必要ない。酔った友人と同僚と、来年への希望を本気で語れるような、そんな政治こそ忘年会シーズンの肴であるべきなのではないかと思います。
ということで、個人的にも久しぶりにしらふな気がする金曜の夜ですw。
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