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愛国心のゆくえ

時は流れて21世紀w。19世紀の話題にどっぷりつかりながらも、日々の仕事をこなしていた僕ですが、日中関係などにも関係して最近ちょっと気になるのが愛国心。

卑近なところでは、少し前にオバマ氏の愛国心が疑われた事例がある。この場合の愛国心は、英語ではポジティブな意味を持っている"patriotism"。とても象徴的なのはオバマ氏が言論によって愛国心を示すというポリシーで、アメリカ国旗のバッジの着用をやめたのだが、それを保守派に非難されて最近また着け始めたという事件。もちろんこういう一連の動きはネガティブイメージ合戦みたいな側面がある米大統領選の流れの一部にすぎないのだけど、本当に彼が国民の一部のためではなく、全体の利益にかなうのかという意味で愛国心議論が提示されるあたりに、アメリカの多文化・多人種社会としての側面がよく表れている気がする。そもそも彼が実はムスリムなんじゃないかと疑う意見も以外に根強かったりする。”合衆国”と言われるように、ともすればバラバラになってしまう無数のグループを一様に代表しなければならない大統領。その代表としての正当性を証明する手段として、てっとり早く愛国心議論が持ち出されるのだろう。

一方で中国の愛国心についての議論も面白い。

夏学期の授業最後の日。僕たちのクラスでは、現代中国に関して自分の選んだテーマについてのプレゼンを行った。中国出身のクラスメートは、中国のインターネット・ナショナリズムについてのプレゼンをした。"nationalism"という言葉は同じ愛国心でもネガティブな意味をもつ。彼女の話によれば、インターネットを通じたナショナリズムの高まりは、中国人研究者のなかでも近年ホットな話題のひとつで、それが注目を浴びたのは近年の対日デモにおいてインターネットが中国国民の感情の高まりにとても重要な役割を担っていたからであるらしい。

実際のところ、近年の中国における愛国心の高まりはほとんど異常といって良いくらいだと思う。以前、チベット騒動が起こったときに、僕の大学院の中国人学生たちがアンチ・ダライラマのデモを行った話を書いたけど、そういう中国人留学生の動きは世界的にみられた。彼女によれば当時、学生の間でかなりの人気を博したという動画がこれらしい。

もちろん、世界中の中国人学生たちがこれを見て盛り上がってる光景を想像するのは馬鹿げてると思うけど。でもとにかく世界じゅうに散らばる留学生まで巻き込んだ大規模な反・チベット統治批判運動であったことには違いない。

そして次に四川での大地震。これが起きたときに、友人の中国人の女の子がいきなりシラキュース大学の中国人代表として募金活動を開始したことに驚いた。この場合の愛国心はおそらくpatriotismと取られるのだろう。欧米のメディアはこのときに起きた大々的な募金やボランティア活動を中国における「市民社会」の萌芽として歓迎した。自分の血縁関係や狭い共同体を越えて、人々が相互扶助とか公共の精神を拡大させた結果だとみられたのだ。それは確かにすばらしいことだと思うし、実際このクラスでの僕のプレゼンは中国の市民社会発展に関するポジティブな見解だったのだけど、この熱烈な募金・ボランティア運動の高まりは反・チベット統治批判をもたらしたnationalismと表裏一体なのではという気もしている。

中国の愛国心と関連して、日経ビジネスにとても面白い記事があった。

”教師の告白があぶり出した中国社会の「危機意識」”

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080710/165021/

一時話題になった四川の高校教師の話。彼は、四川大地震で生徒より先に逃げ出した上に、その事実をインターネットで告白した。彼に対して批判とともに多くの礼賛が集まったこと。これが中国社会にとってあるいは中国のインターネット言論にとって、とても大きな意味を持っているという話。非常に深くて良い記事だと思うので、興味があるひとはぜひ。(僕は日経ビジネスの回し者ではありませんw。単純にこの話を深く説明するのが大変なだけです。)

一方、最近は韓国との間で、竹島/独島問題も火が付いています。この問題については、僕は非常に冷めています。なぜなら僕の好きなキム・テヒ嬢があの島は独島だと主張しているからです。

こんな子に主張されたら、僕は徹底的に譲歩するしかありませんw。なんて偉大なソフトパワー。

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